マリオネット
「よっ、陽菜乃!元気?」

 顔を見ると凪ではなく、前に遊んでいた男だった。
 強引に身体だけ求めてくるため、途中で連絡を切って、ブロックもした。
 あぁ、前に家になんか入れなきゃ良かったと後悔をする。

「なんだよ。お前、髪の毛黒くして切ったの?化粧も雑だな」

 煩いな、こっちが本当の姿なのに。

「ごめん。彼氏居るから帰って?」

 私は半分開かれたドアを閉めようとした。
 が、力では敵わなかった。

「彼氏居るって言ったって、部屋の中にはいないだろ。出てこねーじゃん」

 こんな時に凪がいないなんて。
 早く帰って来てほしい。

「ちょっと、止めて!」

 男は、強引に家の中に入ろうとした。この人、お酒の臭いがする。酔っているんだ。どうしよう、警察。スマホはリビングだ。
 家の中に取りに戻ろうとしたが、男に後ろから羽交い絞めにされる。男は玄関の鍵を閉めた。

「なんだよ?陽菜乃、何しようとしてんだよ!?」

 私と以前会っていた時は、これほど気性は荒くなかったように思うが、酔っているせいか今にも大声で怒鳴りそうな勢いだった。

「お願い、帰って。じゃないと、警察呼ぶから」

「はぁ?何言ってんだよ?」

 そのまま玄関で押し倒される。
 上に乗られ、両手も抑えられ、抵抗ができない。

「前の陽菜乃の方が可愛いけど、まぁ、いいか。ヤラせろよ?」

「いや!!」

「なんだよ。前は、あんあん喘いでたくせに」
 そう言うと、男は私にキスをしてきた。
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