マリオネット
 凪の話を聞く。
「えっ!何それっ?本気で言ってるの?」
「うん、本気」

 本当にそんなドラマみたいなことが自分にも起こっているんだろうか。

「さっきの俺のご褒美を含めて、ちょっと試してみていい?もし俺の予想が当たってたら、あいつ、逆上して絶対何かしてくるから。そしたら俺が捕まえる」
 凪は少し楽しそうだった。

「うーん」

 本当にそんなことあり得るの?と疑心暗鬼の私は、彼の作戦に乗る気がしない。

 そんな様子を見て
「わかった。じゃあ、さっきのご褒美だけちょうだい?」
 ご褒美、それは約束したけど。

「本当にそれがご褒美でいいの?」
「うん」
 譲らない彼の態度に
「わかった。んで、ここ(リビング)ですればいいの?」
「そう」
 ちょっと恥ずかしいけど……。
 凪だからいいか。

「どこに付けて欲しいの?」
「身体全部!」
 迷いもなく凪は答えた。

「変態!」
 全部って私が恥ずかしいよ。

「じゃあ、首と鎖骨とかでいい」

「そんな見えるところでいいの?」

「俺は陽菜乃さんのだって言う印!」

 私たちってお互いに歪んでいるのかな。
 私も嫌じゃないし。

 彼が私にご褒美としてお願いをしてきたこと、それは「キスマーク」を付けて欲しいというお願いだった。
 そして激しく身体を求め合っているという感じで……という要求。

 なぜそこまですることになったのかと言うと、凪の話では、この部屋に盗聴器が仕掛けられている可能性があるからだと言うことだった。
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