マリオネット
 寝室で昨夜、彼とイチャついた。
 正確にはイチャついたレベルではないのかもしれないけど……。  
 が、それを聴いているにしては、反応が薄い。
 だったらリビングでさらに聴こえるようにしてみたら、反応があるのではないか?という凪の予測。

 本当に盗聴器なんて仕掛けられているのかな。

 本当は派手ではない、私の素性をたまたま知ってしまった田中さんが、街で凪と一緒に居るのを見かけて、あんなLIEEを送ってきたっていう理由が一番平和なんじゃないか……、なんて思った。

 ご褒美は約束しちゃったことだから、いいけど。 
 しょうがない、ちょっと演技でもするか。
「じゃあ、凪、やるよ」
 彼の耳元で開始の合図を送る。
 なんか、私も楽しくなってきた。

「凪、Tシャツ脱いで?」
 彼に指示を出す。
「うん」
 彼は着ていたTシャツを脱いだ。
 細いなぁ。ちゃんとご飯食べさせないと。
 でも筋肉は残っているんだ。
 
 そんなことを思いながら、ソファの上に彼を押し倒す。
 最初からキスマーク付けるとか、なんかムードがなぁ。
 ムード作りのため、私の下になっている彼にキスをした。

「んっ…?」

 作戦とは違う私の行動に、凪は戸惑っているようだった。わざと大きなリップ音を出す。
 チュッ、チュッと高音の音が部屋に響く。

「ん……!」

「凪、舌出して?」
 彼に要求をすると、ペロッと舌を出してくれた。
 
 それをズッと吸ってみる。
「凪の舌、柔らかい……」
 演技のつもりだったけど、なんか本当に変な気分になってきちゃった。
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