マリオネット
「了解。陽菜乃さんも変なことありそうだったら、連絡してね」

「うん。ありがとう」

 いつも通り通勤する。
 こういう時、凪にスマホがないと不便だな。
 安い機種だといくらくらいで買えるんだろう。
 あとで調べてみよう。

 すぐ連絡が取れないと、一緒に暮らしているのに何かと不安だ。

 一方――。

「陽菜乃ちゃん、今日なんか疲れた顔してるな。やっぱりあの男のせいだ。僕が守ってあげないと。僕だけの陽菜乃ちゃん。取り戻さなきゃ」

 ある一人の男が彼女の後ろを追って歩いていたことを、彼女は知らない。
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