ひまわりみたいなあなたにもう一度恋をする~再会したのは元不良の同級生~
『本当に進学しなくていいのか?』
『いいの。もう決めたから』
それまで進学するつもりで受験勉強に取り組んでいた美織だったが、ここにきて方針転換を余儀なくされた。
理由は明らかだった。
働き手がいなくなった家庭を支えるためには進学を諦め、就職するしかない。
すでに就職先の候補もいくつか選んである。高卒で何の資格も持っていない美織を雇ってくれる会社はそう多くはないけれど、なんとか食らいついていきたい。
そんな美織の状況をどこから聞きつけたのか、正宗はさらに詰め寄ってくる。
『金が心配なら奨学金を借りるっていう手もある。今から考え直しても遅くは――』
『綾辻くんは恵まれてるんだね』
理詰めで説明されていくうちに、頭に血が上っていくのがわかった。
美織だって、本当は進学したかった。
けれど、家族の幸せと自分のエゴを天秤にかけるしかなかった。両方は選べない。
仕方ないとわかっていても、心のどこかでは他の誰かを怨んだり妬む気持ちがあった。
今、その矛先は正宗に向けられている。
『自分はなにをしても周りに受け入れてもらえるって無意識に思ってるでしょう』
ひまわりみたいな金髪も無数のピアスも、なにをしても見放されないと思っているからこそできる甘えの象徴。
正宗の父親は某建設会社で役員をしているという。両親ともに健在で、家も裕福らしい。
甘える相手がない美織にとって彼の言い分は強者のみが使える理論だ。