ひまわりみたいなあなたにもう一度恋をする~再会したのは元不良の同級生~
「なんで私たち自分が悪いって言い合ってるんだろうね」
「そうだよな。ヤバイ。なんか笑えてきた」
ふたりの間にあったわだかまりが消えていくのがわかった。
「なんだか嬉しいな。綾辻くんとこうしてまた話せるなんて」
「俺も」
社内でも何度もやりとりをしていたが、ふたりともまるでオブラートに包んだようなよそ行きの会話だった。
「これからはなんの気兼ねもなく話せそう。あ、でも仕事中はちゃんと区別つけるから安心して!」
「そうだな」
喫茶店を出る頃には、随分と二人の間に流れる空気は和らいでいた。 十年のブランクが一気に埋まっていく気がした。
「じゃあ、また明日」
「また明日」
正宗とは喫茶店の前で別れた。駅まで歩くその途中、美織はふと思い出した。
(そうだ。聞くの忘れちゃったな……)
部屋に飾ってあるひまわりのサンキャッチャー。
あれは卒業式の日に、美織の靴箱の中に入っていたものだ。
贈り主の名前は包み紙のどこにも記載されておらず、まったく身に覚えのないプレゼントだった。
クラスメイトに心当たりがないか聞きに回ったが、結局贈り主は不明のまま、サンキャッチャーは美織の部屋の中で揺れている。
もしかしたら彼かもしれない。でも、違うかもしれない。
もし正宗だとしたら、あんな形で決別した美織になぜサンキャッチャーを贈ったのか?
真実を知りたいような、知りたくないような。
ゆらゆら揺れるこの気持ちは、わずかな角度で光を乱反射させるサンキャッチャーそのものだった。