ひまわりみたいなあなたにもう一度恋をする~再会したのは元不良の同級生~
「もう!あっち行っててよ!」
美織はなおも、からかおうとする大悟をキッチンから追い立てた。
時計をみると既に七時半を過ぎている。
「急いで支度しなきゃ!」
八時になり、エプロンを脱ぎ捨てなんとかメイクと着替えを終わらせた美織のもとに、正宗がやって来る。
「お待たせ」
「今日はよろしくお願いします」
美織は助手席に身体を滑り込ませると、シートベルトを締めた。
目的のひまわり畑までは車で二時間ほど。
途中、渋滞に巻き込まれることもなく、スムーズに目的地へ到着する。
「すごーい!」
駐車場から歩いて十分ほど歩けば、なんの変哲もない畑の中に突如として鮮やかな黄色のシルエットが現れる。
視界がすべてひまわりで埋め尽くされている。
こんなにたくさんのひまわりを一度に見たのは初めてだ。
「ぐるっと一周してみようか」
案内板によると、ひまわり畑の中を歩いて回れるらしい。
正宗に誘われ、ゆっくり足を踏み入れる。手で庇をつくりながら、自分の背丈よりも大きなひまわりを見上げる。
青空と黄色のコントラストが鮮やかだ。美織はスマホを駆使して、ベストショットを狙い四苦八苦する。
納得の一枚が取れたと思っていたら、自分のものではないシャッター音があたりに鳴り響く。
後ろを振り返ると正宗がスマホを美織に向けていた。