ひまわりみたいなあなたにもう一度恋をする~再会したのは元不良の同級生~

「うん。いい写真が撮れた」

 どこか満足げに頷く正宗を見てすべてを察した瞬間、かあっと頭に血が上る。

「消してよ!」
「やだね」
「意地悪っ!」

 どうしても写真を消してもらいたい美織は強硬手段に打って出る。

「お弁当がどうなってもいいの!?」
「それはマジで困る」

 交渉の末に、ふたりは互いのスマホでツーショットを撮るという案に落ち着いた。

「ほら、もっとこっちに寄って」

 肩に回された左手のせいで気もそぞろだ。
 そうやって撮られた写真にはぎこちない笑顔の自分が映っていた。
 ひまわり畑の散策が終わると、ふたりは遅めの昼食を取ることにした。

(口に合うといいな)

 駐車場の近くにあるコンテナハウス周辺には、大型のサンシェードが並んでいた。
 だれでも小休止ができるように、一緒に白いペンキが塗られたテーブルとベンチが等間隔で配置されている。
 アスファルトがほとんどないおかげなのか、風が吹くと心地よい。

「うわっ!うまそう!」

 サンシェードの一番隅にあるテーブルに陣取り、お弁当を広げるやいなや正宗を歓声を上げた。
 正宗はおかずをひとつひとつ箸でとっては、喜んで口に運んでくれた。

(早起きして作った甲斐があったな)

 味の感想を聞きながらお弁当を食べ進めていたら、五歳ぐらいの男の子を連れた女性が右往左往しているのが視界の端に映る。
 なにか困っているみたいで、辺りにいる人にしきりになにかを伝えようとしている。
 美織は箸を置きベンチから立ち上がると、ふたりに近づいた。
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