ひまわりみたいなあなたにもう一度恋をする~再会したのは元不良の同級生~
「ほーんと、あの中途の人使えなかった」
聞き覚えのある声が背後から聞こえてくる。
「普通、あの程度の資料作成に何日もかかる?挙句の果てに綾辻先輩に手伝ってもらうなんて」
「ああ。錦さんだっけ?」
「そうそう」
少し癖のある甲高い声は冴木のものに違いない。彼女の他にも複数の女性の声が聞こえてくる。
「知ってる?あの人高卒なんだって」
「えー?そうなの?」
「高卒なのにうちの会社で働いていて恥ずかしくないのかな?」
「綾辻先輩が本当に可哀想!あの人がチームにいてもなんの役にも立たないじゃん」
エリートだという自負がある分、彼女達は辛辣だった。
美織は居たたまれなくなり、注文したそばをひとくちも食べることなくその場をあとにした。
(あんな風に言われるなんて)
初めてこなした仕事で粗があったのも事実だ。
ただ能力不足を指摘されるだけならともかく、高卒だということまで揶揄されるとやっぱり落ちこんでしまう。
しかも、今回は正宗まで巻き込まれる形になった。
(もしかして、私が一緒にいると綾辻くんに迷惑が掛かる?)
高卒で働くと決めたのは美織だ。だから自分が馬鹿にされるのは一向に構わない。
けれど、自分のせいで正宗にまで同情が集まるのはどうしても我慢できそうにない。