ひまわりみたいなあなたにもう一度恋をする~再会したのは元不良の同級生~
(さすがに疲れたな)
夕食を終え部屋に戻った美織は、ごろんとベッドに横になった。
慣れない電車通勤と新しい職場への緊張で、疲れがどっと押し寄せてくる。
(まさか、綾辻くんがいるなんて)
美織はベッドからゆっくり身体を起こすと、窓際に吊るしてあるひまわり型のサンキャッチャーをそっと指で揺らした。
残念ながら太陽光のない夜では虹色の乱反射は拝めないけれど、無機質な蛍光灯の光でもそれなりに趣がある。
(綺麗……)
美織は初めて正宗と会話したときと同じ感想を抱いた。
高校生の頃の正宗はひまわりそっくりの髪型だった。
毛先にかけては陽に透けると鮮やかな黄金色だったが、頭頂部は地毛である黒色が目立っていた。
(あんな風に変わってしまうんだ)
昔の彼はいつもしかめ面で、何を考えているのかわからない男の子だった。
耳にあったピアスも、どこか憂いを帯びた表情も、今や見る影もない。
あぶなっかしい幼さが消え去り、余裕や自信にあふれている。
記憶の中にある面影はそのままに彼はすっかり大人になった。
何が正宗を変えさせたのだろう。
(ちゃんと話せていたかな)
仕事中はなんとか普通に接っしていたと思うけれど、その他の時間はわからない。
美織は再びベットに横たわると、目を瞑った。
瞼の裏に浮かんでくるのは、十年前――当時高校三年生だったあの暑い夏の景色だった。