黒き噂の辣腕社長は強がり契約妻に生涯愛を絶やさない
「こんなはずじゃなかったのに」
そろそろ寝ようと、自室でひとりになった途端にポツリとつぶやいた。のろのろとベッドに近づき、端に腰を下ろす。
生まれ変わった糸貫庵を見届けたら、こちらから離婚を突きつける。そう考えて彼との結婚を受け入れたというのに、今となっては別れの日が来なければいいのにと願ってしまう。
もちろん、私が切りださなくともいずれは彼の方から言われるだろうとわかっている。この結婚は仕事のためにしたもので、あの人には楢村さんがいるのだから。
「はあ」
さっきまで彼に抱きしめられるようにして過ごしていたせいか、ひとりになると心細い。両腕で自身を抱きしめてみたが、まったく満たされない。
自分を愛してくれない夫を想っても虚しいだけなのに、気持ちがコントロールできない。
せめて光毅さんがひどい人だったら、憎んでいられたのに。でも彼に感謝する人たちを目の当りにしたら、もうそんなふうには考えられそうになかった。
灯りを消して、ベッドにもぐりこむ。
けれど眠気が訪れる気配はなくて、光毅さんとの関係についてずっと頭を悩ませていた。
そろそろ寝ようと、自室でひとりになった途端にポツリとつぶやいた。のろのろとベッドに近づき、端に腰を下ろす。
生まれ変わった糸貫庵を見届けたら、こちらから離婚を突きつける。そう考えて彼との結婚を受け入れたというのに、今となっては別れの日が来なければいいのにと願ってしまう。
もちろん、私が切りださなくともいずれは彼の方から言われるだろうとわかっている。この結婚は仕事のためにしたもので、あの人には楢村さんがいるのだから。
「はあ」
さっきまで彼に抱きしめられるようにして過ごしていたせいか、ひとりになると心細い。両腕で自身を抱きしめてみたが、まったく満たされない。
自分を愛してくれない夫を想っても虚しいだけなのに、気持ちがコントロールできない。
せめて光毅さんがひどい人だったら、憎んでいられたのに。でも彼に感謝する人たちを目の当りにしたら、もうそんなふうには考えられそうになかった。
灯りを消して、ベッドにもぐりこむ。
けれど眠気が訪れる気配はなくて、光毅さんとの関係についてずっと頭を悩ませていた。