黒き噂の辣腕社長は強がり契約妻に生涯愛を絶やさない
しばらくして、私の実家へ向けて歩きだす。仕事はここまでだというように、光毅さんが手をつないできた。それにドキリとしたのは一瞬で、こうされることはもう当たり前になってしまった。
「ただいま」
実家に着き、玄関から声をかける。
「あっ、おかえりなさい」
室内から由奈が返してくれる。続いて足音が聞こえてきた。
「由奈、もうずいぶんよくなったみたいだね。よかった」
顔を出した彼女を見て、自然と笑みが浮かぶ。
ケガをした左足をわずかに庇うような素振りはあるものの、自由に動けているようでほっとした。
「うん。もうほぼ大丈夫。お義兄さんもいらっしゃいませ。さあ、上がってください」
はにかんでいるのは、慣れない〝お義兄さん〟呼びのせいだろう。
今日の由奈は、私たちの帰省に合わせて午後から予定を開けてくれている。
お茶を淹れようとキッチンに向かう彼女に「待って」と声をかけつつ、光毅さんを居間に案内して手伝いに向かった。
「由奈、私がやるよ」
「もう、今日のお姉ちゃんはお客様なんだよ。でも、ありがとう」
頬を膨らませた後に笑った由奈の明るい様子に、糸貫庵の閉館が決まっても気落ちはしていないようだとほっとした。
「ただいま」
実家に着き、玄関から声をかける。
「あっ、おかえりなさい」
室内から由奈が返してくれる。続いて足音が聞こえてきた。
「由奈、もうずいぶんよくなったみたいだね。よかった」
顔を出した彼女を見て、自然と笑みが浮かぶ。
ケガをした左足をわずかに庇うような素振りはあるものの、自由に動けているようでほっとした。
「うん。もうほぼ大丈夫。お義兄さんもいらっしゃいませ。さあ、上がってください」
はにかんでいるのは、慣れない〝お義兄さん〟呼びのせいだろう。
今日の由奈は、私たちの帰省に合わせて午後から予定を開けてくれている。
お茶を淹れようとキッチンに向かう彼女に「待って」と声をかけつつ、光毅さんを居間に案内して手伝いに向かった。
「由奈、私がやるよ」
「もう、今日のお姉ちゃんはお客様なんだよ。でも、ありがとう」
頬を膨らませた後に笑った由奈の明るい様子に、糸貫庵の閉館が決まっても気落ちはしていないようだとほっとした。