黒き噂の辣腕社長は強がり契約妻に生涯愛を絶やさない
「依都?」
あのときのことを思い出していたところで。背後から声をかけられて振り返る。
「大和!」
久々に会えてよかったと声をあげた私に反して、彼はくしゃりと顔をゆがませた。
「どうかした?」
「依都、お前……」
苦悩の滲む彼に、なにかあったのかと心配になる。
けれど近づこうとした私に、大和が鋭い視線を向けくるから動きを止めた。
「なんで……なんで結婚なんてひとりで決めてんだよ」
「え?」
「どうして俺に相談してくれなかったんだ。依都はいつもそうだ」
怒っている?
言葉を絞り出す大和に、戸惑いを隠せない。
「いつも姉ぶって、俺を弟扱いする。そんなに俺は頼りないのか?」
意味が分からず首を傾げる。
けれどこれだけは伝えたく、なんとか口を開いた。
「大和のことは、いつも頼りにしているよ」
「なら、ひとりで犠牲になるなんて決めるなよ」
「なんのこと?」
「表面上は好きだとかなんとか言われたらしいけど、本当は糸貫庵を守ることを引き換えに結婚したんだろ?」
責めるような大和に、ギクリとする。
でも、それを表に出すわけにはいかない。
「ち、違うから」
大和が私に近づく。彼の真剣な目に、身動きが取れなくなった。
「依都」
いつものような茶化した様子はない。
大和が私の知らない大人の男性になってしまったようで、どうしていいのかわからなくなる。
「俺は、ずっと依都が……」
あのときのことを思い出していたところで。背後から声をかけられて振り返る。
「大和!」
久々に会えてよかったと声をあげた私に反して、彼はくしゃりと顔をゆがませた。
「どうかした?」
「依都、お前……」
苦悩の滲む彼に、なにかあったのかと心配になる。
けれど近づこうとした私に、大和が鋭い視線を向けくるから動きを止めた。
「なんで……なんで結婚なんてひとりで決めてんだよ」
「え?」
「どうして俺に相談してくれなかったんだ。依都はいつもそうだ」
怒っている?
言葉を絞り出す大和に、戸惑いを隠せない。
「いつも姉ぶって、俺を弟扱いする。そんなに俺は頼りないのか?」
意味が分からず首を傾げる。
けれどこれだけは伝えたく、なんとか口を開いた。
「大和のことは、いつも頼りにしているよ」
「なら、ひとりで犠牲になるなんて決めるなよ」
「なんのこと?」
「表面上は好きだとかなんとか言われたらしいけど、本当は糸貫庵を守ることを引き換えに結婚したんだろ?」
責めるような大和に、ギクリとする。
でも、それを表に出すわけにはいかない。
「ち、違うから」
大和が私に近づく。彼の真剣な目に、身動きが取れなくなった。
「依都」
いつものような茶化した様子はない。
大和が私の知らない大人の男性になってしまったようで、どうしていいのかわからなくなる。
「俺は、ずっと依都が……」