黒き噂の辣腕社長は強がり契約妻に生涯愛を絶やさない
そんな目論見で結婚を申し込み、後に依都とふたりで会うことになった。
直前まで一緒に仕事をしていた楢村は、ここからはプライベートだと言っているにもかかわらず『斗真さんから、光毅さんのことをしっかり支えるように言われているから』と譲らない。
どこまでも弟に一途な楢村は、いつだって弟の代わりになにかと俺のサポートをしようとする。
そこに俺に対する恋愛感情など微塵もない。彼女は俺を未来の義兄として慕ってくれているだけだ。
楢村にだけは、仕事の話を仄めかしつつ依都に求婚した事実を明かしてある。
「それにしても、なにもこんなふうに結婚の話を出さなくてもよかったのでは?」
適当にあしらう俺が気に食わず、不満を隠さずにそう進言してくる。楢村としては、ストレートに告白すればいいとでも思っているのだろう。
それで受け入れてもらえるなら楽なのにという恨みがましい気持ちは隠して、依都との結婚が宇和島リゾートにもたらすメリットをあげてみせた。
なにもなくても、いずれは糸貫庵の支配人も折れていただろう。
ただ、こちらにも時間的なリミットがある。少しでも早く彼と話をつけるには、この結婚は都合がよいのも事実だ。
これ以上は邪魔をしないでくれと、楢村に視線で無言の圧をかける。
渋々折れた彼女は、それでも最後に俺を信じていると残してその場を後にした。
直前まで一緒に仕事をしていた楢村は、ここからはプライベートだと言っているにもかかわらず『斗真さんから、光毅さんのことをしっかり支えるように言われているから』と譲らない。
どこまでも弟に一途な楢村は、いつだって弟の代わりになにかと俺のサポートをしようとする。
そこに俺に対する恋愛感情など微塵もない。彼女は俺を未来の義兄として慕ってくれているだけだ。
楢村にだけは、仕事の話を仄めかしつつ依都に求婚した事実を明かしてある。
「それにしても、なにもこんなふうに結婚の話を出さなくてもよかったのでは?」
適当にあしらう俺が気に食わず、不満を隠さずにそう進言してくる。楢村としては、ストレートに告白すればいいとでも思っているのだろう。
それで受け入れてもらえるなら楽なのにという恨みがましい気持ちは隠して、依都との結婚が宇和島リゾートにもたらすメリットをあげてみせた。
なにもなくても、いずれは糸貫庵の支配人も折れていただろう。
ただ、こちらにも時間的なリミットがある。少しでも早く彼と話をつけるには、この結婚は都合がよいのも事実だ。
これ以上は邪魔をしないでくれと、楢村に視線で無言の圧をかける。
渋々折れた彼女は、それでも最後に俺を信じていると残してその場を後にした。