黒き噂の辣腕社長は強がり契約妻に生涯愛を絶やさない
両家の合意が得られると、結婚の話はどんどん進んだ。
ふたりで話した一週間後には婚姻届を提出し、その翌日にはさらわれるようにして光毅さんのマンションに連れて来られた。以来、こんな親密な触れ合いが続いている。
彼は私を抱き枕かなにかと勘違いしているのだと思う。
もしくは、必要な時期まで自分に私を縛り付けておくための作戦か。
「一泊二日になるから、泊る用意をしておいてほしい」
〝一拍〟と聞いて、ドキリとする。
「え、えっと、私たちは正式に夫婦になったけど、心の準備が、というか――」
「恋人関係を楽しむ約束だったな」
すでに結婚をして、ふたりでの暮らしをすでに始めている。
とはいえ彼は、当初の約束通り寝室は別にしてくれている。
旅行なんて特別なときでもその約束は守られるのだろうかと、一抹の不安が拭えない。
私の予定では友人関係から始めるはずだったのにと、恨めしくなる。もちろんそれ以上の関係になることは目指しておらず、行きつく先はあかの他人だ。
〝恋人〟だと勝手に言い換えたのは光毅さんだし、そもそも私はふたりの関係を楽しむとも言っていない。
けれど糸貫庵の命運がかかっている状況で、彼に反抗的な態度をとるのは得策ではない。約束は守られたと見届けるまでは、それなりに良好でいるべきだ。
てっきり思惑ありきの結婚で、こんな甘すぎる触れ合いは予定外だ。ましてお泊りデートなんて頭になかった。
ふたりで話した一週間後には婚姻届を提出し、その翌日にはさらわれるようにして光毅さんのマンションに連れて来られた。以来、こんな親密な触れ合いが続いている。
彼は私を抱き枕かなにかと勘違いしているのだと思う。
もしくは、必要な時期まで自分に私を縛り付けておくための作戦か。
「一泊二日になるから、泊る用意をしておいてほしい」
〝一拍〟と聞いて、ドキリとする。
「え、えっと、私たちは正式に夫婦になったけど、心の準備が、というか――」
「恋人関係を楽しむ約束だったな」
すでに結婚をして、ふたりでの暮らしをすでに始めている。
とはいえ彼は、当初の約束通り寝室は別にしてくれている。
旅行なんて特別なときでもその約束は守られるのだろうかと、一抹の不安が拭えない。
私の予定では友人関係から始めるはずだったのにと、恨めしくなる。もちろんそれ以上の関係になることは目指しておらず、行きつく先はあかの他人だ。
〝恋人〟だと勝手に言い換えたのは光毅さんだし、そもそも私はふたりの関係を楽しむとも言っていない。
けれど糸貫庵の命運がかかっている状況で、彼に反抗的な態度をとるのは得策ではない。約束は守られたと見届けるまでは、それなりに良好でいるべきだ。
てっきり思惑ありきの結婚で、こんな甘すぎる触れ合いは予定外だ。ましてお泊りデートなんて頭になかった。