聖女天使を苦しめた国に、天罰を
(どうしてあたしに、話しかけてくださったの? それにこの髪飾りは、あたしが伯爵家に忘れてきたはずで……)

 ルイザは口元を抑えたまま、頭をフル回転させて答えを導き出す。

(野良聖女天使騒ぎが異母姉の仕業なら……。あの子が殿下に、髪飾りを預けた……。そこで家名だけ名乗って……。彼はあたしを、セロンと勘違いしている……?)

 ここは仮面舞踏会だ。
 異母姉とは髪の色から身体の作りまで、何もかもが違うが――仮面で目元以外を覆い隠している。
 そのため、桃色の瞳という印象だけで妹を探し出して声をかけたのだとしたら、こうして間違えることもあるだろう。
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