聖女天使を苦しめた国に、天罰を
「だから、なんなの? あたしは同情なんて、しないわ」
「君には、仲間意識がないのかい……?」
「ええ。だって、あたしには関係ないもの」

 ルイザがあっけらかんと言い放てば、彼は呆然と目を見開いて固まった。

(ほらね。やっぱり。こいつも、どこにでもいる普通の男と一緒ね……)

 内心、彼に蔑みの視線を向けている間――王太子は苦しそうに唇を噛み締め、視線を逸らした。

「そう、か……」

 その反応は思った通りの答えが得られず、不貞腐れているとしか思えない。

(仕方ないでしょ? あたしはどこまでいっても、聖女天使を語る偽物。逆立ちしたって、本物にはなれないのだから……)

 ルイザはここにはいない忌々しき本物の姿を思い浮かべ、悔しそうに唇を噛みしめる。

(あの子だったら、殿下の望む答えを口に出来たのかしら……?)

 どれほど痛めつけ、召使いのように扱っても。
 異母姉は嫌がる素振りすら見せず、淡々と仕事をこなした。

(あの根性だけは、褒めてやってもいいけど……)

 ルイザにとってセロンは、初めて顔を合わせた時から邪魔な存在でしかない。
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