聖女天使を苦しめた国に、天罰を
「旦那様……! 凄いです! 神馬を、手懐けるなんて!」

 そんなペガサスの様子を窺っていた侍女は、キラキラと瞳を輝かせてクロディオを褒め称えたたえる。

「――忘れるな。俺からセロンを引き離そうとするのなら。たとえ神であろうと、傷つけるのには躊躇しないと」
「ペガァ……」

 神馬は納得できない様子を見せていたが、翼をもがれたら自由に羽ばたくことすら困難になると恐れたのだろう。
 ペガサスは渋々床に伏せると、目を瞑って大人しくなった。

(これでしばらくは、時間を稼げるか……)

 クロディオのやることは、山積みだ。
 パロニード辺境伯の治める地に聖女天使が現れ、ペガサスを手懐けたという話はすでに知れ渡っている。
 彼はいずれ、自らの口でロセアガンム王国の国王に事情を説明する必要が出てくるだろう。

(ルユメールにまで話が回れば、間違いなく……神殿とあの男が口を出して来るはずだ)

 聖女天使を一括管理したい神殿と、いずれ少女達の開放を目論むフラティウス――。
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