聖女天使を苦しめた国に、天罰を
「セロン様ー! 見てください! 今日も、こーんなにたくさん! 聖女天使宛の貢物が!」
クロディオはその声を耳にした瞬間、露骨に嫌そうな顔をする。
しかし侍女は、いつものことだと気にも止めない。
当然のように小包を床の上に置くと、中身を確認し始めた。
「わぁ。これ、ルユメール王国の有名ブランドですよ! ロセアガンムだと、なかなかお目にかかれないんですよね~」
「ルセメル」
「もう、隣国まで噂が回っているなんて……」
「クロディオ、呼んでる……」
セロンが自国に恨みをいだいていると知るクロディオは、その名を耳にするだけでも不愉快で堪らないのだろう。
天使宛の真っ赤なドレスを手で掴んでキラキラと光り輝く瞳で見つめていた侍女は、彼の咎める声など聞こえていないとばかりに次の荷物に目を光らせる。
「あれ? 荷物に、手紙が貼りついてます。これ、王家の紋章です!」
「それ以上は、言うな」
「親愛なる聖女天使へ。フラティウス・べグリーより、愛を込めて……」
クロディオの静止を振り切って手紙の裏面に描かれた文字を音読したルセメルは、それが天使の憎悪を引き出す魔法の呪文であると気づけず――その名を口にしてしまう。
クロディオはその声を耳にした瞬間、露骨に嫌そうな顔をする。
しかし侍女は、いつものことだと気にも止めない。
当然のように小包を床の上に置くと、中身を確認し始めた。
「わぁ。これ、ルユメール王国の有名ブランドですよ! ロセアガンムだと、なかなかお目にかかれないんですよね~」
「ルセメル」
「もう、隣国まで噂が回っているなんて……」
「クロディオ、呼んでる……」
セロンが自国に恨みをいだいていると知るクロディオは、その名を耳にするだけでも不愉快で堪らないのだろう。
天使宛の真っ赤なドレスを手で掴んでキラキラと光り輝く瞳で見つめていた侍女は、彼の咎める声など聞こえていないとばかりに次の荷物に目を光らせる。
「あれ? 荷物に、手紙が貼りついてます。これ、王家の紋章です!」
「それ以上は、言うな」
「親愛なる聖女天使へ。フラティウス・べグリーより、愛を込めて……」
クロディオの静止を振り切って手紙の裏面に描かれた文字を音読したルセメルは、それが天使の憎悪を引き出す魔法の呪文であると気づけず――その名を口にしてしまう。