聖女天使を苦しめた国に、天罰を
「あの男とは……。俺にも、因縁がある」
「クロディオも、嫌い?」
「そうだな」
「お揃いだね」
「ああ……」

 彼がフラティウスに対して自身と同じ気持ちを抱いていると知り、セロンは嬉しそうに口元を綻ばせた。

(お揃い。ペアルック。仲間の証拠……)

 そんな天使の姿を目にしたクロディオは、今なら冷静に話ができそうだと考えたのだろう。
 辺境伯は手にした封筒をひらひらと揺らしながら、セロンに問いかけた。

「これは君宛に描かれた手紙だが、中身を確認する価値もなかった。こちらで、処分しても?」
「ん……。いいよ。クロディオ、お任せ……」
「物わかりのいい天使は、好きだ」
「うん……。わたしも、そう言ってもらえて……嬉しい……」
「奇遇だな」

 先程までの剣呑な雰囲気はどこへやら。2人は幸せそうに微笑み合う。

(クロディオ、機嫌。よさそう……。今なら、言える、かも……)

 セロンは意を決した様子で拳を握りしめると、彼にあるお願いをした。

「あのね、クロディオ……」
「どうした」
「わたし、外に出たい」
「どこへ行くつもりだ」
「ん……。違う、の。逃げるわけじゃ、なくて……」

 優しく目元を綻ばせていたクロディオは、すぐさま普段の不機嫌そうな表情に戻ると、天使を凄む。
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