聖女天使を苦しめた国に、天罰を
「聖女天使の加護だ!」
「力が漲ってくる……!」
「団長に続け!」

 セロンは無理をしているクロディオを、癒やすつもりで加護を授けた。
 しかし――。
 天使の聖なる加護の余波を受け取ったのだろう。
 先程まで地面に倒れ伏していたはずの騎士達も、やる気に満ち溢れて剣を振るい始めた。

「力のコントロール……。できて、ない……?」
『気にすることはないよ。彼らは、味方だからね』
「ん……」

 その様子を目にしたセロンは不安になって、悲しそうに目を伏せた。
 しかし、身を寄せるペガサスとじゃれ合えば、すぐさま普段の調子を取り戻す。

(ペガサスは、クロディオのことが嫌い。でも、一緒にいてくれてよかった……)

 セロンは自分と同じ純白の翼を持つ神馬がこうして上空にいてくれることを心強いと感じながら、辺境伯が剣を振るう姿をじっと見守る。
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