聖女天使を苦しめた国に、天罰を
(わたし、クロディオの役に立てた……)

 ほっと胸を撫で下ろしたセロンは嬉しそうに口元を綻ばせると、彼との信頼関係をより強固なものにした。
 だが……。

 ――天使の心を揺らがす事件が起きたのは、それから数日後のある日だった。

「お届け物でーす!」

 セロンは執務室に大量の手紙を届けにやってきた男性と顔を合わせ、固まる。

(どう、しよう……。手紙、受け取っても……いいのかな)

 クロディオは騎士団員から緊急の呼び出しを受けて不在。
 セロンを任されたはずのルセメルは少し席を外していた。
 そのためここには、ペガサスと天使の2人きりしかいなかったからだ。

「ええと、サインを……」
『セロンに近づくな!』
「うわぁ! て、手紙が……!」

 室内に天使と一匹の神馬しか存在しないと知った男性が天使へ近づこうとした直後、翼をはためかせたペガサスは、大量の手紙を腕の中に抱きかかえた彼に突進していく。
 それを見かねた天使は慌てて白馬の身体にしがみつくと、これ以上攻撃しないように牽制した。
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