聖女天使を苦しめた国に、天罰を
『不審者では、なかったみたいだね……』
「うん。よかった……」
『どうして人間は、セロンを1人にするんだろう。何かあってからじゃ、遅いのに……』
「ルセメル。すぐに帰って来るって、言った……。もう少し、待っていよう……?」
『だけど……』

 難色を示したペガサスが、天使のドレスを引っ張って侍女を探しに行かせようとした時だった。
 絶妙なバランスで山になっていた手紙がドサドサと勢いよく音を立て、床の上に散らばる。

「大変。片さなきゃ……」
『そんなの、あいつにやらせればいいじゃないか。セロンはボクと一緒に、本を読んでいれば……』
「クロディオ。この前、机の上においてあるもの……。落としたら、怒った……。ちゃんと、元に、戻さないと……」

 青白い顔で小刻みに全身を震わせたセロンは、こうして手紙の山に手を伸ばし――。
 視界に入れたくもない自国の紋章を目にして、固まった。

『セロン? どうしたんだい?』
「これ……。あの人、の……」
『開けてみようか』

 ペガサスは四肢と口を起用に動かすと、天使が呆然としている間に手紙を開封してしまう。
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