聖女天使を苦しめた国に、天罰を
(止める間も、なかった……)
ドレスが汚れるのも厭わずに床の上へしゃがみ込んだセロンの膝上へ手紙を投げ捨てた神馬は、その内容を読み上げる。
『何々……? 私の愛する聖女天使へ。一目でいいから、会えないだろうか。間違いを正したい。たった一度でいいんだ。連絡をくれ』
こうして天使は不慮の事故により、ルユメール王国の王太子であるフラティウス・べグリーから、恋文を受け取ってしまった。
(ルイザとあの人が、結ばれる前は……。助けてほしいって、思っていたのに……)
どこか遠い目をしながら、膝の上に置かれた文字をじっと見つめた。
(愛の言葉を認められても……。全然、心に響かない……)
セロンは胸元を押さえ、なんの感情もいだけない自分を不思議に思う。
(もしも、これとまったく同じ言葉が……。クロディオの字で、書かれていたら……)
天使はもしもの可能性を脳裏に思い浮かべ、口元を綻ばせた。
(わたしは、とっても嬉しい……)
――その瞬間。
先程までなんの感情のいだいていなかったセロンの心に、ぽかぽかと暖かな熱が身体の奥底から湧き上がるのを感じる。
ドレスが汚れるのも厭わずに床の上へしゃがみ込んだセロンの膝上へ手紙を投げ捨てた神馬は、その内容を読み上げる。
『何々……? 私の愛する聖女天使へ。一目でいいから、会えないだろうか。間違いを正したい。たった一度でいいんだ。連絡をくれ』
こうして天使は不慮の事故により、ルユメール王国の王太子であるフラティウス・べグリーから、恋文を受け取ってしまった。
(ルイザとあの人が、結ばれる前は……。助けてほしいって、思っていたのに……)
どこか遠い目をしながら、膝の上に置かれた文字をじっと見つめた。
(愛の言葉を認められても……。全然、心に響かない……)
セロンは胸元を押さえ、なんの感情もいだけない自分を不思議に思う。
(もしも、これとまったく同じ言葉が……。クロディオの字で、書かれていたら……)
天使はもしもの可能性を脳裏に思い浮かべ、口元を綻ばせた。
(わたしは、とっても嬉しい……)
――その瞬間。
先程までなんの感情のいだいていなかったセロンの心に、ぽかぽかと暖かな熱が身体の奥底から湧き上がるのを感じる。