聖女天使を苦しめた国に、天罰を
「君には、難しかったか」
「ちょっぴり……」
「まぁ、なんだ。俺は、あの男に好意をいだいてほしくない。今はそれだけ、理解してくれたらいい」
「うん……」

 どこか困ったように目元を緩めた彼は、セロンにそう言い聞かせると――これ以上の話し合いは不要だと言わんばかりに、言葉を止めた。

『どうしてフラティウスを嫌いなのか、聞いたほうが……』
「理由なんて、どうでもいい」
『セロン……』
「わたしとクロディオ。同じ気持ち。それだけわかれば、平気」
『君は本当に、変わっているね……』

 待てど暮らせど続きの話が聞こえてこないことに、痺れを切らしたのだろう。
 ペガサスはセロンにアドバイスをしたが、天使はそれを聞き入れなかった。

「またペガサスから、何か言われているのか」
「大したことじゃ、ない」
「なんの話だ」
「気にしないで」
「セロン」

 天使と神馬の会話内容を、クロディオは気になっているようだ。
 セロンはわざわざ打ち明ける内容ではないとこのまま秘密にするつもりだったが、彼がどうしてもと言って聞かない。
 少女は渋々、か細い声で辺境伯に打ち明けた。
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