聖女天使を苦しめた国に、天罰を
「2人がどんな関係か、聞いたほうがいいって……」
「――かつて、知人だった」
「ちーじん……?」
「一方的に親友扱いされていたが、俺はそう思ったことはない」

 クロディオとフラティウスの関係を理解したセロンは、不思議そうに首を傾げながら問いかける。

「一緒にいるの。楽しく、なかった?」
「ああ。苦しいと感じることのほうが、多かったな……」
「それも、わたしとおんなじ。思い出すと、つらくなる……」

 天使は背中に翼を生やすと、それを広げる。
 その後――彼を勇気づけるかのように、優しく包み込む。
 そして、口元を綻ばせた。

「ぎゅってしたら、悲しくないよ」
「セロン……」
「わたし達、1人から、2人になった。これからは、支え合って、生きていく」
「ああ。悲しみだけではなく、君と喜びを分け合えたのなら……。俺は、このうえない幸福感をいだくだろう」

 微笑みをたたえた辺境伯と目線を合わせたセロンは、うっとりと瞳を潤ませて願う。

「クロディオが楽しそうにしているところ、もっと見たい……」
「なんの面白みもないぞ」
「それでもいいよ」

 あまり気乗りしていない彼の背中を押した天使は、クロディオのぬくもりを堪能しながら告げる。
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