聖女天使を苦しめた国に、天罰を
「用意を終えるまでは――俺の腕の中で、翼を休めていろ」
「ん……。わかった。わたし、クロディオと……一緒にいる」
「ああ」

 天使は背中の翼を消失させると、彼の胸元に小さな身体を丸めて蹲った。

「セロン様! お待たせしてしまい、大変申し訳ございません! 不足の事態が山程……。あら? 旦那様!?」
「ルセメル。掃除だ」
「は、はい! ただいま……!」

 ――その直後。
 姿を見せたルセメルは、クロディオの許可なく無断でセロンのそばを離れた罰として、床の上に散らばった手紙の残骸を片づけさせれる。

(お掃除、大変……)

 その様子を見ていた天使は、侍女の手伝いを申し出ようと試みる。
 しかし、辺境伯はそれに待ったをかけた。

「今まで、君が不快になるのではと遠慮していたが――次のステップに、移りたい。いいだろうか」
「内容にも、よる……」
「添い寝だ」

 クロディオから思ってもみない提案を受け、セロンは目を丸くする。

(一緒に、おやすみ?)

 1人で寝転ぶには大きすぎるふかふかの寝台を占領するのは、いつだって落ち着かない。
 仮眠室のベッドを独占していた天使にとって、この提案は願ってみない話だ。
 セロンは二つ返事で了承した。
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