聖女天使を苦しめた国に、天罰を
(クロディオなら、協力してくれると思ったのに……)

 それを残念に想う気持ちはあれど、親友を引き止めはしない。
 フラティウスにとって最優先するべきは、すでに友人ではなく聖女天使の解放であったからだ。

(僕は必ず、やり遂げてみせる……)

 辺境伯が敵国に寝返ろうが、1人になろうが、構わない。
 いつか訪れるであろう王となる日に向けて、水面下で準備を進め――そうして、〇〇年余りの時が過ぎた。

 フラティウスの人生は仮面舞踏会で野良の聖女天使と出会ったにより、再び狂い始める。

(そうだ。僕は、この光景が見たかったんだ……)

 純白の翼をはためかせて天から舞い降りた聖女天使を目にした瞬間、歓喜に打ち震えた。

(彼女が、ほしい。守らないと……)

 彼女を自ら保護すれば、あれほど熱望していた聖女天使が自由に空を羽ばたく姿を見られるのだ。
 フラティウスはすぐさま、初めて顔を合わせたばかりの少女に求婚した。

『殿下! これは重罪ですぞ!』

 しかし――忠臣に邪魔をされた結果、彼女からはいい返事をもらえなかった。
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