聖女天使を苦しめた国に、天罰を
(取り戻さなければ……! 僕の愛しき、聖女天使を……!)

 ルイザ・バズドントと婚約を交わし合ってから、3か月後。
 フラティウスはすぐさま、ロセアガンム王国の辺境伯領に現れた聖女天使へ向けて手紙を認めた。

『今まで気づけず、すまなかった。僕の聖女天使。今度こそ、君だけを愛すると誓おう。だから、どうか……』

 1時間に一通、狂ったように紙へペンを滑らせる王太子の姿を、誰もが気味悪がる。

「辺境伯に向けて、毎日のように手紙を送るなど……」
「殿下は一体、どうしてしまったんだ?」
「バズドント伯爵令嬢と、婚約したんだ。このまま結婚まで、進むとばかり……」
「あの噂は、本当だったのか……」

 たとえ周りから何を言われようとも、一切気にする様子もなく一心不乱にペンを取る。
 いつか、聖女天使が再び自らの前に姿を見せる――その日まで。

「いい加減にしてよ!」

 そんな婚約者の姿を黙って見ていられるほど、ルイザ・バズドントはお淑やかではなかった。
 彼女は勢いよく声を張り上げ、激昂する。
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