聖女天使を苦しめた国に、天罰を
「あんたの婚約者は、あたしでしょ!? なんで辺境伯に現れた聖女天使へ、手紙なんて送ってるの!?」
「それは君が、一番よく知っているんじゃないかな」
「なんですって!?」

 もの凄い剣幕で怒り狂う婚約者に向けて冷たい視線を向けた王太子は、ルイザに強い口調で宣言した。

「僕は、嘘つきが嫌いだ」
「な、なんの話……?」
「聖女天使は誰にでも優しく、清らかな心を持っているはずだけど……。君は、違うよね」
「あたしのどこが、醜い心を持っているように見えるって言うのよ!? どこからどう見ても可憐な美少女でしょ!?」

 フラティウスは怒鳴り散らす彼女とは話にならないと、呆れたように肩を竦める。

(そういう所だよ。お淑やかさの、欠片もない……)

 彼はルイザに求婚したのを後悔しながら、純白の翼をはためかせた聖女天使の姿を思い描く。

(あの子は、もっと……。大人しくて、可憐だった……)

 フラティウスはすっかり、目の前にいる婚約者などどうでもよくなっていた。
 これには当然、怒り狂っていたルイザも我慢できずに王太子を罵る。
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