聖女天使を苦しめた国に、天罰を
『君が惚れるような、魅力的な男性には見えないけどね……』
「ペガサスにも、いつか。わかる日が来る……」
『ボクが痺れを切らして天界に君を連れて帰るほうが、早いと思いたいけど……』
神馬のふさふさとした毛並みに顔を埋めてその感触を確かめていたセロンは、ペガサスの呆れた声を耳にした直後からはっと顔を上げ、ズリズリと床の上を這いずる。
獣と距離を取った天使は、怯えの色を隠さずに告げた。
「天界には、いかない……」
『お、落ち着いて。こんなところ、あいつに見られたら……!』
「――君は本当に、俺の苛立つことしかしないな……」
神馬の願いも虚しく――執務室に姿を見せたクロディオは呆れたように肩を竦めると、苛立ちを隠せない様子でペガサスを睨みつけた。
「クロディオ……! お帰りなさい……!」
「ああ。ただいま」
彼の元へと小さな足を動かすと、セロンは勢いよくクロディオの胸元へと飛び込んでいく。
愛する天使の目元に優しく触れた辺境伯は、桃色の瞳に溜まった涙を拭う。
「ペガサスにも、いつか。わかる日が来る……」
『ボクが痺れを切らして天界に君を連れて帰るほうが、早いと思いたいけど……』
神馬のふさふさとした毛並みに顔を埋めてその感触を確かめていたセロンは、ペガサスの呆れた声を耳にした直後からはっと顔を上げ、ズリズリと床の上を這いずる。
獣と距離を取った天使は、怯えの色を隠さずに告げた。
「天界には、いかない……」
『お、落ち着いて。こんなところ、あいつに見られたら……!』
「――君は本当に、俺の苛立つことしかしないな……」
神馬の願いも虚しく――執務室に姿を見せたクロディオは呆れたように肩を竦めると、苛立ちを隠せない様子でペガサスを睨みつけた。
「クロディオ……! お帰りなさい……!」
「ああ。ただいま」
彼の元へと小さな足を動かすと、セロンは勢いよくクロディオの胸元へと飛び込んでいく。
愛する天使の目元に優しく触れた辺境伯は、桃色の瞳に溜まった涙を拭う。