聖女天使を苦しめた国に、天罰を
「こ、壊れた……?」
「あなた、人間なの!?」
「助けて! 早く! 私達の拘束具も、外して!」

 ルイザが呆然とその場に立ち尽くして驚愕していると、切羽詰まったような反応を示す少女達が次々に助けを求めた。

(あたしには、この子達を助けてやる義理はないけど……。殿下は、聖女天使が大好きだもの。こんなにたくさんの少女達を開放すれば……! セロンよりも好みの子が、いるかも知れないわ……!)

 ルイザはある作戦を思いつき、ほくそ笑む。

(あたしは王太子妃を見つけた、恋のキューピットとして賞賛を受ける……! ふふっ。完璧な作戦ね!)

 こうして次々に聖女天使の聖なる力を無効化するネックレスへ手を触れ、解除作業に明け暮れる。

「やったわ!」
「聖なる力が使えるようになった……!」
「私達は、自由よ!」

 求められるがままにルイザが次々に拘束具を外していると、あっという間に土の上には破壊されたネックレスが山積みになった。
 少女達は口々に喜びを露わにし、この場から逃げる機会を虎視眈々と窺う。
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