聖女天使を苦しめた国に、天罰を
(一方的に、わたしへ婚約者だって、宣言して。人違いでルイザにプロポーズするような人を、信じた……。わたしが悪いの……?)
自問自答したセロンは、すぐさま勢いよく頭を振ってその思考をかき消す。
――よく、理解していたからだ。
『殿下の婚約者は、わたし』
2人が目の前で想いを通じ合わせた以上、フラティウスにそう名乗り出たところで、彼は手に入らないと。
(ルイザの名前を出さなければ、あなたは、わたしを見つけてくれた……?)
もう二度と戻れない過去の過ちを脳裏に思い描いた天使は、瞳から大粒の涙を流して翼を広げ――大空に飛び立った。
(もうここには、いられない……)
王太子と面と向かって言葉を交わし合う前までは、妹が彼に嫁ぐことを望んでいたのに――。
(こんな展開になるなら。髪飾りなんて、届けなければよかった……)
もっとうまくセロンが立ち回れていたら。
フラティウスに愛を囁かれていたのが自分だと思えば、悔しくて堪らなかった。
自問自答したセロンは、すぐさま勢いよく頭を振ってその思考をかき消す。
――よく、理解していたからだ。
『殿下の婚約者は、わたし』
2人が目の前で想いを通じ合わせた以上、フラティウスにそう名乗り出たところで、彼は手に入らないと。
(ルイザの名前を出さなければ、あなたは、わたしを見つけてくれた……?)
もう二度と戻れない過去の過ちを脳裏に思い描いた天使は、瞳から大粒の涙を流して翼を広げ――大空に飛び立った。
(もうここには、いられない……)
王太子と面と向かって言葉を交わし合う前までは、妹が彼に嫁ぐことを望んでいたのに――。
(こんな展開になるなら。髪飾りなんて、届けなければよかった……)
もっとうまくセロンが立ち回れていたら。
フラティウスに愛を囁かれていたのが自分だと思えば、悔しくて堪らなかった。