聖女天使を苦しめた国に、天罰を
(なんか、今は……。すごく、ピリピリしてる……)

 彼がセロンを警戒しているようにも見えるのは、なぜなのだろうか。

「それだけは、心に留めておけ」

 それを不思議に思った少女は、その先に続く言葉を右から左へと受け流した。

「質問はあるか」

 そんなセロンの姿をじっと見つめていた辺境伯にも、思うところがあったのだろう。
 クロディオに問いかけられた天使は、思い切って先程いだいた疑問を投げかけた。

「辺境伯って、偉い人?」
「それを聞いて、何がしたい」
「態度、変えなきゃ。失礼、かもって……」
「どうでもいいな」

 だが――彼の反応は思わしくない。
 セロンが一生懸命口にした質問へ関心を持てぬ様子を見せた青年は、少女を睨みつけながら告げる。

「俺に気を使う必要はない。好きにしろ」
「いい、の……?」
「ああ」

 強い口調で命じられた天使は、不安そうに問いかけた。
 しかし――辺境伯はしっかりと頷いて肯定し、眉を顰めて続きを促した。

「ほかには?」
「わたし、これから……。どうしたら……」

 どうしても彼の口から聞きたい疑問は、それくらいしかない。
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