聖女天使を苦しめた国に、天罰を
「旦那様! お待たせいたしました~!」
「遅い」
身支度を整え終えたあともお喋りな侍女に付き合っていたら、随分と長い時間が経過してしまった。
揃って水場から出てきた女性陣を目にしたクロディオは、苛立ちを隠せぬ様子でルセメルを睨みつけるが――。
「見てください! 薄汚い野良猫ちゃんの、大変身を!」
「大騒ぎするようなことか」
「似合っているの一言くらい、言ってあげてくださいよー! さすがは聖女天使です! もう、ほんとにかわいくて! 抱きしめたくなっちゃうくらいですよ!」
「ゃ……っ」
侍女は満面の笑みを浮かべると、セロンに勢いよく抱きついた。
だが、少女はそれに耐えられない。
己の身体に触れるものは、いつだって――自分を傷つけてきたのだから……。
(怖い……っ)
小さな悲鳴を上げた天使はその身を縮こまらせると、その場にしゃがみ込んで丸くなる。髪を引っ張られたり、暴力を振るわれたりしてもいいように、身を守るためだった。
「セロン様? どうしたんですか……?」
「あ……」
だが――少女の恐れていた事態は、いつまで経っても現実のものにはならなかった。
「遅い」
身支度を整え終えたあともお喋りな侍女に付き合っていたら、随分と長い時間が経過してしまった。
揃って水場から出てきた女性陣を目にしたクロディオは、苛立ちを隠せぬ様子でルセメルを睨みつけるが――。
「見てください! 薄汚い野良猫ちゃんの、大変身を!」
「大騒ぎするようなことか」
「似合っているの一言くらい、言ってあげてくださいよー! さすがは聖女天使です! もう、ほんとにかわいくて! 抱きしめたくなっちゃうくらいですよ!」
「ゃ……っ」
侍女は満面の笑みを浮かべると、セロンに勢いよく抱きついた。
だが、少女はそれに耐えられない。
己の身体に触れるものは、いつだって――自分を傷つけてきたのだから……。
(怖い……っ)
小さな悲鳴を上げた天使はその身を縮こまらせると、その場にしゃがみ込んで丸くなる。髪を引っ張られたり、暴力を振るわれたりしてもいいように、身を守るためだった。
「セロン様? どうしたんですか……?」
「あ……」
だが――少女の恐れていた事態は、いつまで経っても現実のものにはならなかった。