聖女天使を苦しめた国に、天罰を
「辺境伯!」
クロディオが彼女を慈しむような視線を向けた直後――己を後方から呼び止める者が現れた。
騎士団を代表して部下が、今後の指示を仰ぎにきたのだろう。
「よく耐えたな。ゆっくり、身体を休めろ」
「はい……?」
1に訓練、2に鍛錬。3に僅かな休息、4に戦争――。
いつだって彼らに休む暇を与えなかった残忍酷薄な辺境伯が、部下達に向け労りの言葉を口にしたのだ。
当然騎士は驚き、聞き返す。
「俺は彼女と、先に戻る」
「へ、辺境伯!?」
クロディオは同じ内容を二度も命じるほど、心優しくはない。
辺境伯は部下の呼び止める声を無視すると、自らの治める領地へ戻った。
クロディオが彼女を慈しむような視線を向けた直後――己を後方から呼び止める者が現れた。
騎士団を代表して部下が、今後の指示を仰ぎにきたのだろう。
「よく耐えたな。ゆっくり、身体を休めろ」
「はい……?」
1に訓練、2に鍛錬。3に僅かな休息、4に戦争――。
いつだって彼らに休む暇を与えなかった残忍酷薄な辺境伯が、部下達に向け労りの言葉を口にしたのだ。
当然騎士は驚き、聞き返す。
「俺は彼女と、先に戻る」
「へ、辺境伯!?」
クロディオは同じ内容を二度も命じるほど、心優しくはない。
辺境伯は部下の呼び止める声を無視すると、自らの治める領地へ戻った。