聖女天使を苦しめた国に、天罰を
辺境伯巡り
「ここがパロニード辺境伯領自慢の、果樹園ですよ!」
見渡す限り緑で溢れるフルーツ畑に案内されたセロンは、物珍しそうにあたりを見渡した。
林檎、ぶどう、オレンジ、桃――美味しそうな実が山程実っている。
(こんなこと、している場合じゃない……。早く、わたしを呼んでる人……。会いに行かないと……)
そんな光景を見ていると、自分が外に出たいと強く願った理由さえ忘れてしまいそうになる。
「もぎたてフルーツを、召し上がれ!」
そんなセロンの気を、より強く引くためだろうか。
林檎の木に手を伸ばしたルセメルが果実をもぎ取って、こちらに差し出した。
(朝ごはんを食べる間くらいは、待ってくれるかな……)
それを受け取ったセロンは勝手に自分の都合がいいように判断すると、小さな唇で動かす。
その後、シャクシャクと小気味いい咀嚼音とともに朝食を楽しむ。