聖女天使を苦しめた国に、天罰を
(やっと、見つけた……)

 眩い光が降り注ぐ中――彼らに突き飛ばされた2人は勢いよく土の上に倒れ伏しながら、上空を見上げる。

(あれは……)

 すると天空から純白の翼をはためかせ、ある生き物が天使の前に舞い降りた。

「あなた……」

 美しく光り輝く真っ白な四肢。
 空に向かってピンと伸びる、2つの馬耳。
 背中から生えた大きな翼を窮屈そうに小さく折り畳んだのは――神馬であった。

「ペガサス……?」

 天使の呼びかけに応えた神獣は小さく頷くと、セロンの脳内に直接語りかける。

『セロン』

 機械音にもよく似た不思議な声音を響かせながら、ペガサスはテレパシーを使って人間の言葉を発した。

「お話、できるの……?」

 背中に翼を生やせるもの同士、通じるものがあるのだろう。
 天使は不安そうにペガサスへ問いかけ、会話を試みた。

『ああ。ボクはずっと、神様と一緒に空から君のことを見守っているだけのつもりだった。けど……。もう、我慢できない』

 神馬は苦しそうに胸の内を吐露すると、天使の胸元へ頬擦りをしながら――セロンを神界へ誘う。
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