聖女天使を苦しめた国に、天罰を
『これからはボク達と一緒に、天界で暮らそう』
「お空、で……。一緒に……?」
『そうだよ。君には、その資格がある』

 ペガサスから思ってもみない提案をされたセロンは困惑の色を隠せぬまま首を傾げる。
 そして、神馬の主張に耳を傾けた。

『あそこには、薄汚い欲望をいだく人間なんて存在しないからね。セロンからしてみれば、楽園のように思えるはずさ』
「天界……。楽園……」

 ペガサスの言葉を耳にした天使は、迷っていた。

(この子の手を取れば、わたし……。今度こそ、幸せになれる……?)

 何度も期待して裏切られた経験を持つセロンは、臆病になっていたからだ。

(本当、なのかな……)

 ペガサスの甘い誘惑を受け入れた直後――それが夢に終わった場合のリスクを鑑みると、彼の誘いは受け入れ難いものだった。
 クロディオに自ら手を差し伸べた時のような強い怒りと絶望に苛まれていない天使は、神馬に戸惑いの視線を向けて黙り込む。
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