聖女天使を苦しめた国に、天罰を
「手のかかる子どもって、言った……」
「それは……。君の常識の無さに、呆れただけだ。セロンのせいではない」
「利益を齎せないのであれば、出て行ってもらうって……」
「そんなことを、気にしていたのか……」

 どこか遠くを見つめて呆れたように語るクロディオの姿が、気に食わない。
 セロンは心外だと言わんばかりに頬を膨れさせ、ぷんすかと怒りながら強い口調で彼に凄む。

「とっても、大事なこと」
「ああ。そうかもしれんな。俺にとっては、どうでもいいが……」

 だが、そんな姿ですらも彼にとってはかわいらしい小動物のようにしか見えないのだろう。
 クロディオは安心させるように銀の髪を手櫛で梳きながら、小さく頭を下げた。

「俺には他人を、思いやる視点が欠如している。不快にさせたのであれば、謝罪しよう。すまなかった」
「ごめん、なさい……?」
「俺の言い方が悪かったのは、明らかだ」

 2人は謝罪をし合うことで、不毛な言い争いを続ける気はなくなったようだ。

「クロディオ。わたし……」
「すでに君は、俺に利を齎している」

 何か言いたげな少女の声を遮った彼は、セロンに思いもよらない話をする。天使は不思議そうに首を左右に振り、それを否定した。
< 95 / 245 >

この作品をシェア

pagetop