聖女天使を苦しめた国に、天罰を
「うんん……。わたし、クロディオを苛つかせてばかり。背中に羽を生やすこと。人を癒やすこと。それしかできない。利益なんて……」
「――それで充分……。いや、俺は君を、誇らしく思う」
「どう、して?」

 クロディオは言いかけた言葉を途中で取り止め、セロンを褒める。
 天使に促された彼は、優しく目元を綻ばせながら事実を告げた。

「神馬を手懐け、人々から一目置かれるようになった」
「それって、いいこと?」
「ああ」

 家族以外との関わりがほとんどなかったセロンにはどうにも、それが本当に素晴らしいことであるかの判断がうまくつけられない状態だったようだが――。

「わたし、あなたの役に立てた?」
「それは誰にも、できることではない。誇っていいぞ」
「よかった……」

 彼から素直に受け入れるべきだと促されると、ようやく実感が湧く。
 天使も嬉しそうに口元を緩めると、ほっと胸を撫で下ろした。
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