聖女天使を苦しめた国に、天罰を
「周りの雑音に惑わされたところで、損をするだけだ。他人の言いなりになど、なる必要はない」
「でも、そうしなきゃ……。みんな、わたしをいらないって……」

 次に続く言葉を耳にしたセロンは、どこか焦ったように声を発した。
 クロディオは金色の瞳で少女の目を真っ直ぐと射抜き、はっきりと宣言する。

「俺は、君を愛する。その言葉だけでは、不安か?」
「うんん。すごく、嬉しい……」

 セロンは胸元がじんわりと暖かく、ぽかぽかとした喜びでいっぱいになるのを感じた。
 そんな天使の姿を目にして機嫌をよくしたクロディオは、優しく口元を綻ばせて少女に諭す。

「とにかく……自分本位に、生きてみろ。世界が変わるぞ」

 彼に背中を押された天使は、しばらくぽかんと口を開ける。

(わたし、らしく……。わがままに……)

 セロンはクロディオの言葉に込められた意味を悟って、我に返る。
 その後ポツリと、彼に向かってある疑問を投げかけた。
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