甘えたがりのランチタイム
5 甘いクレームブリュレ
あれから何もやる気が起きなくて、ご飯も食べずに泣き疲れて寝てしまった。
そのため朝起きた時の顔は浮腫んでいて、目は真っ赤に腫れており、こんな状態で出勤する気になかった茉莉花は、入社してから初めて仮病を使って休むことにした。
主任に体調が良くないという主旨のメッセージを送ってから、羽美にも同じような内容で送った。するとどちらからもすぐに返信があり、二人とも茉莉花の体調を気遣う内容だったため、逆に申し訳ない気持ちになる。
罪悪感を覚えながらも、今は外に出る元気も勇気も出てこない。
茉莉花は重い腰を上げて、とりあえずキッチンに行く。涙で失った水分を得るため、コップに水を入れて一気に飲み干した。
よく見れば、そこにあったはずの正樹の食器類がなくなっており、彼が持って出ていったのだとわかる。
きっと茉莉花のことを考えてのことだろうが、その優しさが今は悲しく心にのしかかった。
食事を作るのも億劫で、買ってあった食パンをそのまま口に入れながら、電気ポットのお湯でインスタントのコーンスープを作る。カップから漂う甘い香りに誘われ、口に含んだ瞬間、その甘さに肩の力が抜けた。
正樹の気配が消えた部屋は、彼が転がり込んでくる前の状態に戻っただけなのに、やはりどこか空虚感を覚えずにはいられなかった。
軽い朝食を済ませ、シャワーを浴びる。浴室を出る頃には涙の跡もしっかりと消え、少しだけ心が軽くなったように感じる。
その時茉莉花のスマートフォンから、メッセージが届いたことを知らせるベルの音が響いた。
画面を見た茉莉花は、慌てて画面をスクロールさせる。そこに書かれていたのは裕翔からのメッセージで、『おはよう。大丈夫?』と一言だけ書かれていた。
昨日から心配してくれていたし、なんとなく彼にだけは本当のことを伝えたい気がした。
『昨夜彼にフラれちゃいました。今日は顔が腫れてしまったので、仮病を使ってお休みしています。このことは風見くんにしか言っていないから内緒にしてね』
送信した途端、すぐに返事が来る。
『俺の助けはいらないかな?』
『うん、大丈夫。ありがとう』
裕翔の心遣いに胸が熱くなり、その優しさがくすぐったく感じる。
本当はもっと彼に甘えて慰めてほしい、あの時のように頭を撫でてもらいたいと思う自分もいたが、最近仲良くなったばかりの彼にそんなことは言えない。
今はこうして、心配してくれる人がいると思うだけで心強かった。
そのため朝起きた時の顔は浮腫んでいて、目は真っ赤に腫れており、こんな状態で出勤する気になかった茉莉花は、入社してから初めて仮病を使って休むことにした。
主任に体調が良くないという主旨のメッセージを送ってから、羽美にも同じような内容で送った。するとどちらからもすぐに返信があり、二人とも茉莉花の体調を気遣う内容だったため、逆に申し訳ない気持ちになる。
罪悪感を覚えながらも、今は外に出る元気も勇気も出てこない。
茉莉花は重い腰を上げて、とりあえずキッチンに行く。涙で失った水分を得るため、コップに水を入れて一気に飲み干した。
よく見れば、そこにあったはずの正樹の食器類がなくなっており、彼が持って出ていったのだとわかる。
きっと茉莉花のことを考えてのことだろうが、その優しさが今は悲しく心にのしかかった。
食事を作るのも億劫で、買ってあった食パンをそのまま口に入れながら、電気ポットのお湯でインスタントのコーンスープを作る。カップから漂う甘い香りに誘われ、口に含んだ瞬間、その甘さに肩の力が抜けた。
正樹の気配が消えた部屋は、彼が転がり込んでくる前の状態に戻っただけなのに、やはりどこか空虚感を覚えずにはいられなかった。
軽い朝食を済ませ、シャワーを浴びる。浴室を出る頃には涙の跡もしっかりと消え、少しだけ心が軽くなったように感じる。
その時茉莉花のスマートフォンから、メッセージが届いたことを知らせるベルの音が響いた。
画面を見た茉莉花は、慌てて画面をスクロールさせる。そこに書かれていたのは裕翔からのメッセージで、『おはよう。大丈夫?』と一言だけ書かれていた。
昨日から心配してくれていたし、なんとなく彼にだけは本当のことを伝えたい気がした。
『昨夜彼にフラれちゃいました。今日は顔が腫れてしまったので、仮病を使ってお休みしています。このことは風見くんにしか言っていないから内緒にしてね』
送信した途端、すぐに返事が来る。
『俺の助けはいらないかな?』
『うん、大丈夫。ありがとう』
裕翔の心遣いに胸が熱くなり、その優しさがくすぐったく感じる。
本当はもっと彼に甘えて慰めてほしい、あの時のように頭を撫でてもらいたいと思う自分もいたが、最近仲良くなったばかりの彼にそんなことは言えない。
今はこうして、心配してくれる人がいると思うだけで心強かった。