甘えたがりのランチタイム
* * * *
正樹がいなくなった部分を埋めるように部屋の整理をしていると、いつの間にか時間が過ぎ、外は夕焼け色に染まり始めていた。
お昼も食パンだけで済ませてしまった茉莉花のお腹は、そろそろちゃんとした食事が欲しいと訴えるように大きな悲鳴をあげる。
冷蔵庫を開け、昨日買ってきた野菜を見つめていた時だった。
突然部屋のインターホンが鳴り、驚いた茉莉花は体をビクッと震わせる。
まさか正樹が戻ってきた? 何か忘れ物でもしたのかしらーーそんな思いでドアの覗き穴から外を見た茉莉花は、さらに驚き、勢いよくドアを開けた。
「風見くん⁉︎」
「突然ごめん。きっと直接聞いても教えてもらえない気がして、江藤さんに住所聞いちゃったんだ」
「羽美に? でもどうして……」
「あのっ、お腹空いてないかなって思って。いっぱい家で作ってきたからさ、良かったら一緒にご飯食べない?」
「一緒に……⁉︎」
その瞬間、自分が化粧をしていないことに気付いて、慌てて両手で顔を隠す。しかもTシャツにスウェットという完全なる部屋着だったので、つい後ずさってしまう。
「あっ、でも私すっぴんだし……」
「そ、そっか! 急だったし、俺はそのままの西園さんも可愛いって思うから気にならないけど、西園さんは気になるよね。作ったやつ置いていくから、良かったら食べて!」
エコバッグいっぱいにフードコンテナが入っていて、袋越しにも出来立ての温かさが伝わってきた。
「ちょっと待って! これ、今作ってきてくれたの?」
「あはは……実は西園さんと一緒で、体調が悪いって嘘ついて早退しちゃったんだ。内緒だよ」
「私のために……?」
「俺も助けてもらったし、絶対にお返しがしたかったんだ。だから、これは俺の気持ち。じゃあ俺はこれでーー」
すぐさま帰ろうとした裕翔のシャツの裾を、茉莉花は思わず掴んだ。
そんなことをした自分自身に驚きつつ、恥ずかしくて彼の顔を見ることが出来ずに俯いてしまう。
「待って! すっぴんでも気にしないっていうか、もう諦めたから……! だから……良かったら一緒に食べない? せっかく作ってくれた人が目の前にいるのに、一緒にお喋り出来ない方が寂しいから……」
おずおずと視線を上げると、裕翔が嬉しそうな笑顔を浮かべてこちらを見ていたので、心臓がドキッと飛び跳ねた。
「じゃあお言葉に甘えちゃおうかな」
皮肉にも荷物整理をしていたこともあり、部屋の中は綺麗に片付いている。
茉莉花は苦笑しながら裕翔を部屋へと招き入れた。
正樹がいなくなった部分を埋めるように部屋の整理をしていると、いつの間にか時間が過ぎ、外は夕焼け色に染まり始めていた。
お昼も食パンだけで済ませてしまった茉莉花のお腹は、そろそろちゃんとした食事が欲しいと訴えるように大きな悲鳴をあげる。
冷蔵庫を開け、昨日買ってきた野菜を見つめていた時だった。
突然部屋のインターホンが鳴り、驚いた茉莉花は体をビクッと震わせる。
まさか正樹が戻ってきた? 何か忘れ物でもしたのかしらーーそんな思いでドアの覗き穴から外を見た茉莉花は、さらに驚き、勢いよくドアを開けた。
「風見くん⁉︎」
「突然ごめん。きっと直接聞いても教えてもらえない気がして、江藤さんに住所聞いちゃったんだ」
「羽美に? でもどうして……」
「あのっ、お腹空いてないかなって思って。いっぱい家で作ってきたからさ、良かったら一緒にご飯食べない?」
「一緒に……⁉︎」
その瞬間、自分が化粧をしていないことに気付いて、慌てて両手で顔を隠す。しかもTシャツにスウェットという完全なる部屋着だったので、つい後ずさってしまう。
「あっ、でも私すっぴんだし……」
「そ、そっか! 急だったし、俺はそのままの西園さんも可愛いって思うから気にならないけど、西園さんは気になるよね。作ったやつ置いていくから、良かったら食べて!」
エコバッグいっぱいにフードコンテナが入っていて、袋越しにも出来立ての温かさが伝わってきた。
「ちょっと待って! これ、今作ってきてくれたの?」
「あはは……実は西園さんと一緒で、体調が悪いって嘘ついて早退しちゃったんだ。内緒だよ」
「私のために……?」
「俺も助けてもらったし、絶対にお返しがしたかったんだ。だから、これは俺の気持ち。じゃあ俺はこれでーー」
すぐさま帰ろうとした裕翔のシャツの裾を、茉莉花は思わず掴んだ。
そんなことをした自分自身に驚きつつ、恥ずかしくて彼の顔を見ることが出来ずに俯いてしまう。
「待って! すっぴんでも気にしないっていうか、もう諦めたから……! だから……良かったら一緒に食べない? せっかく作ってくれた人が目の前にいるのに、一緒にお喋り出来ない方が寂しいから……」
おずおずと視線を上げると、裕翔が嬉しそうな笑顔を浮かべてこちらを見ていたので、心臓がドキッと飛び跳ねた。
「じゃあお言葉に甘えちゃおうかな」
皮肉にも荷物整理をしていたこともあり、部屋の中は綺麗に片付いている。
茉莉花は苦笑しながら裕翔を部屋へと招き入れた。