外で手を繋いでくれない私の彼氏
「今日も思ったけど、どうして紗奈は、俺が友達と話してると隠れるの?」
「それは……」

「隠れるのやめない?」
「どうして?」

「いなくなったと思って心配になるんだよ。さっき心臓止まりかけた。」

心配させたいわけじゃない。でも隠れてる理由はちょっと言いにくい。

「でも……」
「なに?」

しーくんは私の顔を覗き込んで、顔を近づけてくる。

「言わないとちゅーするよ?」

それは困る。

「わ、わかった。言うけど……」
「うん。」

「近くに私がいるのは嫌なのかなと思ったの。」
「え、なんで?」

しーくんは、不思議そうな顔をしている。

「しーくんが嫌な顔してるような気がしてて……」
「ん……?……あ。あー……」

しーくんは宙を見上げた。

「……それたぶん、無意識に牽制してんだと思う。」
「?」

「前にさ、紗奈のこと可愛いって言ってた奴がいたの。」
「しーくんの友達に?」

「そう。俺の彼女だって言ってるのに、何回も可愛い可愛いって言うからさ……今日はそいつ居なかったけど、全方位に向けて警戒してんのかもね。あぁ、なんか恥ずいわ。」

(なんだ、そういうことだったんだ。)

片手で口を覆っているしーくんの顔が、ちょっと赤くなってる。

「私は、しーくんしか好きにならないよ。」

ぎゅっと抱きしめると、しーくんも抱きしめ返してくれる。

「俺も紗奈が好き。」

しーくんの顔が近づいて──
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