知らない明日が来たとしても
「……ごめん、ありがとう」
今出来る精いっぱいの返事だった。
その声に、才佳を包み込んでいた体がゆっくりと離れていく。
しばらく沈黙が続いた後、暁がどこか寂しそうに微笑みながら言った。
「……本当の意味で、才佳が幸せになれる方法を考えてみてほしい」
「……」
「俺に言えるのはそれだけだから。……困らせて悪かった」
「暁……」
「先に戻ってる。皆には適当に理由言っておくから、ゆっくり帰ってきたらいいよ」
そう言い残し、暁は大通りの方向へと戻っていく。
距離が開くたびに、ずっと変わることのなかった二人の関係性が別のものになっていくようだった。
何か言わなくてはと口を開きかけるものの、言葉を探すうちにその背中は夜の中に消えていった。