《天使さま》から始まった
 佳奈はホッとしたような笑みを浮かべたような気がしたけど、すぐに消えてペロッと舌を出す。

「ゴメン、ゴメン。急に目の前に理想のタイプが現れて、気が動転しちゃった」

 確かに、イケメンの部類に入る人だったけど、

 ホントにそれだけ?

「なっ、なぁんだ。そうだったんだ。びっくりしちゃったよ。だって佳奈ったら、すっごく怖い顔してたんだもん」

「ホントに?やだ、どうしよう!第一印象悪かったかなぁ」

 心配そうに頬を押さえる。

 その仕草にホッとした自分がいた。

 よかった。いつもの佳奈だ。

「多分、すっご〜く悪かったと思うよ」

 意地悪な笑みを浮かべて言った。

 その時始業五分前の予鈴が鳴り始める。

「ヤバっ!」

 顔を見合わせると、バタバタと走る。

 途中大田先生に「廊下は走るな」と怒られてしまったのはナイショだ⋯⋯。

 そして何とかギリギリ間に合った五限目の授業中にラインが届く。

 明日は土曜日だし、OK!っと。

 それにスタンプを押して返信すると、佳奈がチラッと私を見て嬉しそうに頷いた。
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