《天使さま》から始まった
「ホント、美織のお母さんって、料理お上手よね。うちとは大違い」

「そんなことないって。佳奈のお母さんだって、料理上手だよ」

 二人ともお風呂からあがって一息ついたところ。

 その言葉を最後にしばらく沈黙が生まれる。

 耐えられなくなった私から口を開いた。

「やっぱりお昼から変だよ。どうしたの、佳奈?」

 佳奈は口元をキュッと結ぶと、絨毯に正座する。

 私も釣られるように腰掛けていたベッドから降りて正面に正座した。

「前に私が《天使さま》で美織を占ったことは覚えてる?」

「うん、覚えてるけど」

「何て言った?」

 話の意図が掴めなくて困惑の表情をうかべながらも、

「平安時代に生きてた陰陽師の弟子だったって」

 佳奈は躊躇っていたようだったけど、私をまっすぐ見つめて口火を切った。

「今回いなくなってる女の子たちは、前世のあなたを殺した人と同一人物に操られているわ」

 ドクン!

 前世の私を殺した、人?

 血の気が引いていくのを感じた。

「まさか、そんなこと……」

 胸を押し潰さんばかりの不安に強張っていく身体を抱き締める。
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