未来へ繋ぐ、禁断のタイムスリップ

麗、莉緒を救い出す

「莉緒……!」
麗は声を張り上げ、廊下を駆け回る。
書斎、応接間、窓際、廊下の隅――
どこも見落とさないように、狂ったように視線を走らせる。

胸の奥で、冷たい恐怖が膨らむ。
(もし、このまま見つけられなかったら……)
想像しただけで、心臓が締め付けられる。

廊下の奥、薄暗い部屋の扉が見えた。
――ここだ。ここにいる。ここしかない。
麗は一瞬立ち止まり、深呼吸もせず、力を込めて扉を押し開けた。
「莉緒!」

中には、震える莉緒が座っていた。
「……麗様……」

「大丈夫だ、もう怖がるな」
麗は駆け寄り、迷わず莉緒を抱き上げた。
その手の温もりと強さに、莉緒の体が少しずつ落ち着きを取り戻す。

扉の向こうには、かすかに美咲の笑みが見えた。
しかし、麗はそれを気にも留めず、莉緒だけを見つめる。

「ごめん。守ってやれなくて…これからは、必ず守る」
低く、決意に満ちた声が、部屋の静寂を震わせた。

薄暗い屋敷の一角で、二人だけの時間が戻る――
莉緒の胸の鼓動と、麗の確かな温もり。
それだけで、世界は一瞬、安心に包まれた。



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