未来へ繋ぐ、禁断のタイムスリップ

静かな夜に結ばれて

夜の屋敷は静まり返り、窓の外には柔らかい月明かりが差し込んでいた。
空気は自然と張り詰める。

麗はそっと優しく見つめる。
莉緒の心臓が早鐘のように打つ。
(麗様……私、ずっと……)
言葉にはできず、胸に手を当て、彼の瞳を見つめる。

麗は静かに莉緒を抱き寄せ、唇を重ねる。
最初は優しく、互いの鼓動を確かめるように、そっと触れるキス。
その温もりに、莉緒は緊張がほどけ、身体全体で安心感を感じた。

「……莉緒、愛してる」
麗の囁きに、莉緒は息を詰める。
涙が頬を伝い、心の奥の不安や恐怖が少しずつ溶けていく。

麗はさらに唇を重ね、手をそっと莉緒の背中に回す。
その感触に、莉緒は体を預け、初めて自分から彼に近づく。

二人の時間は、静かで濃密だった。
言葉よりも触れ合いで伝わる愛情――
心も体も、互いに寄り添い、夜の闇に包まれてゆっくりと一つになる。

朝まで静かに抱き合い、互いの存在を確かめながら眠りにつく二人。


麗の胸に顔を埋めた莉緒は、安心と幸福で心が満たされていた。
――だが、静かな夜の影の奥では、黒幕の計画がゆっくりと動き出していることに、二人はまだ気づいていなかった。







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